石巻ほっとスペース〜家でも学校でもない被災した中高生の居場所〜

石巻駅前からほど近いビルの一室、木目タイルが敷き詰められた暖かな雰囲気のワンフロアが、今回訪れた「ほっとスペース」です。

ここは震災で家族や友人を無くすなど、これまでにない経験をした中高生が「ほっと」集まれる居場所として設置され、大学生のボランティア(サポーター)や友達と交流する場所として使われています。

「震災後、被災地では今までたくさんのイベントが開かれてきました。芸能人もいっぱい来ました。でもそれじゃあ与えられるだけ。これからは自分達で企画して運営していくことが必要なんです」
と話すのは、大阪に拠点を置くNPO法人み・らいずの事務局長岩本恭典さん。大阪から来て石巻に滞在し、ほっとスペースの運営を行っています。

(写真左:スタッフの森永さん、右:岩本さん 20代後半の私たちと同じ世代でした)

家でも学校でもない、ある意味自由なこの場所で、勉強だけでなく、子どもの自発性を大切にした活動を行っているとのこと。またそれを支えるのは、全国から集まる大学生のボランティアです。
仮設住宅でのカフェ開設や、土曜日のクッキングなど、子どもが思いついた企画は連絡ノートに書き込み子どもが主体性をもって準備を進めます。イベント終了後は反省会を開き、振り返りをすることも忘れません。



もともとNPO法人みらい・ずは発達障害不登校など様々な問題を抱えた生徒の支援を大阪で行っている団体でした。しかし震災後、避難所への物資支援を行った際に地元のお母さん達にドライバーとして手伝ってもらったことがきっかけで、石巻との繋がりが生まれました。

そして学習する環境が整わない避難所で寺子屋を始めたことがきっかけで地元中高生のサポートがスタート。
6月に学生が来やすい石巻駅前に、現在の場所を確保し、大学生ボランティアを受け入れてきました。


その昔、私も少し上のお兄ちゃんお姉ちゃんというのは大人には言いにくい相談もできたり、影響を受けたり、憧れの対象でありました。
ここでの大学生ボランティアはそんな良きお兄ちゃんお姉ちゃんとして、子どもの笑顔を作り出せるような存在を目指しているそうです。

「子どもと一緒に活動していると、子どもたちの新たな一面を見ることができます。大人しそうな子がイベントでは意外な積極性を発揮したり、常に発見があるんです」
と岩本さん。子どもたちの成長を見守る中で、きっとボランティアで支援する側も子どもたちから多くのことを学んでいくことでしょう。

心に傷を負っていても、多くの可能性を秘めた子どもたちにとって、たくさんの人と出会い、社会との接点を掴んでいくことはとても重要です。
そのためにも、教育や福祉関係だけでなく、様々な分野のボランティアが支援に関わることが必要だと感じました。

【ほっとスペースのボランティア募集情報はこちら!/Yahoo!Japan復興支援サイト】
(特に土日が足りていないとのことです)


(ボランティアインフォ・大藤)