100年後の森をつくる2〜構想を形に〜

volunteerinfo.hatenablog.com

↑以前ブログでご紹介したわたりグリーンベルトプロジェクトさんを、河北新報社の方と再度訪問してきました。

今回の訪問は、河北新報社さんが企画する「今できることプロジェクト」にて当団体がボランティアツアーのコーディネートを実施しているため、その下見と取材を目的に行って来ました。

 

www.kahoku.co.jp

 

前回7月に行ったときより、畑の緑が濃くなっていて、新しい名産として栽培されている落花生が収穫時期を迎えていました。

 

f:id:volunteerinfo:20190830111543j:plain

落花生の葉が青々と茂っています。

畑の仕事は主に亘理町に住んでいる高齢者のみなさんが行っています。ちょうど私が到着した時間、ビニールハウスの外でみなさんお茶っこタイムをしていました。

この菜園事業はおらほの畑という被災高齢者のコミュニティ再生と生きがいづくりを目的にわたりグリーンベルトプロジェクトが行っています。送迎つきで午前中は畑仕事、お昼は手作りのご飯をみんなで食べて和気あいあいと過ごします。

栽培する野菜はさつまいも、落花生、トマト、なす、ズッキーニなどたくさんの種類がありました。お昼ごはんに私もいただきましたが、どれも新鮮で美味しいものばかり!

この日「さっき収穫したばかりの初物です!」と見せていただいたのは落花生!

粒が大きく、収穫したあと乾燥させずに茹でて食べるそうです。

この落花生が実はこれからの森づくりを支える重要な資源になるのだとか。

植樹した苗が一人前の木なるまで約30年、森ができるまで100年というはてしない年月がかかることは前回の記事でお伝えしました。

ちょうど今年、設立当初に制定したマスタープランでの植樹作業が終わるそう。これからは森を育てるために維持管理していくフェーズに入ります。植えた苗木の周りの草むしりなど、維持管理にも多額の費用がかかります。この落花生は新しい特産品として育て、その収入で森づくりを支えていくのだそうです。

 

試しに一株、収穫体験させていただきました。株の真ん中を掴んで左右に揺らしながら力を込めて引っこ抜きます。それをひっくり返すと、まるまる太った落花生がたくさん!

これを塩茹でにして早速当日の夜ビールのお供にいただきました。ホクホクして甘みもあり、食べる手が止まりませんでした。(塩多めで茹でるとおいしくできます!)

f:id:volunteerinfo:20190830164807j:plain

白くついているのが落花生!

プロジェクトの代表、嘉藤さんにプロジェクトについてお話を伺いました。

「構想を語る人はこれまで何人もプロジェクトに関わってきた。でも、語るだけではだめ、それを形にすることが大事」とのこと。これには同席していた河北のみなさんも深く頷いていました。

東北特有の冷たい風である「やませ」から作物を守り、災害時にはたくさん命を守り、野鳥の住処となり、ミネラルたっぷりの海を育てる、たくさんの恵みを与えてくれる森を作ることは壮大で魅力ある計画ですが、それを形にするには果てしない時間とお金がかかります。

でもそれを形にしていくには、いま、ここから続く地道な積み重ねでしか成し得ることができません。ボランティア1人が苗木を植えるその行為は大事な小さな一歩なのだと思います。

f:id:volunteerinfo:20190830112654j:plain f:id:volunteerinfo:20190830112708j:plain

河北新報社主催で当団体がコーディネートをする「いまできることツアー」は11月2日開催です。ぜひたくさんの方にご参加いただき、この森作りの当事者が増えることを願っています。

ツアーの募集詳細は今後河北新報紙面やwebにて発表予定です。公表されましたら当団体でもお知らせしますのでどうぞお楽しみに!

(及川多香子)