気仙沼階上地区『NPO法人 生活支援プロジェクトK』さんを訪問してきました

NPO法人生活支援プロジェクトKさんは、宮城県気仙沼市の階上地区を中心に、被災した方の生活支援などを目的に活動をしています。
2011年8月から、東京に拠点を置く認定NPO法人SHARE(シェア)さんとの共同事業として活動を続けてきましたが
震災から3年経ち、2014年4月から生活支援プロジェクトK単独での活動になっています。

今回は、スタッフで看護師の大森さんにお話を伺ってきました。
大森さんは、SHAREのスタッフとして気仙沼に来ましたが、現在は生活支援プロジェクトKのスタッフとなり気仙沼に住んでいます。

2011年8月、町にはまだ悩み事や困っていることを相談できるような環境が整っておらず、
トレーラーハウスを使った事務所の一部を「はしかみ交流広場」としてオープンし、なんでも相談を始めました。

しかし最初は相談にくる人は少なく、他団体が行っている仮設住宅のお茶会に行き血圧を測りながら相談を受けるようになり、段々と住民の方と信頼関係を築いていったそうです。

はしかみ交流広場での相談業務のほかに、現在は2か所の仮設住宅で週1回「いきいき体操」を行い、1年以上活動を続けています。
また、既存の自治会のお茶会等に呼ばれ、健康に関するお話や体操を行っています。



(既存自治会の集まりで行ったゲームの様子)

「住民のみなさんの健康管理することだけが目的ではなく、一緒に体操をしたり血圧を測るということを通して、外に出て人と顔を合わせたり集まる『きっかけ』になればいいなと思っているんです。」と話してくださいました。

いつも体操に来る人が、「あそこの家の人、最近見かけないから体調悪いのかも」と情報をくれることもあるそうです。
地域に住む全員の人たちと直接繋がることができなくても、仮設に通っていることで間接的にはつながりが生まれケアをしたり、市や他の団体とも月に1回ミーティングを開き、情報を共有するなど連携もしています。
健康相談・体操の他にも、毎週水曜日にはトレーラーハウスで編み物の講座も開いています。



(「野菜を通して住民の方たちの会話のきっかけになれば」と野菜の苗をプレゼントする活動もしています。)

公営住宅の建設が遅れている気仙沼市ですが、階上地区は年度末には災害公営住宅が完成し、6月には防災集団移転の造成が完成するそうです。
そのため、今年度末から来年度にかけてたくさんの人が動きます。
ですが、新しく公営住宅に入った人たちのコミュニティ形成やまた仮設に残る人たちのケアをどうしていくかなど、課題はまだまだあります。
「今後も、市などと連携をとりながら行政が手が回らない穴をNPOの私たちが埋めてケアをしていきたいです」

火曜日以外の毎日トレーラーハウスは解放しているそうです。
事務所があるトレーラーハウスは国道に面しており、向かいには公民館もあります。
トレーラーハウスの中はとてもきれいで、マッサージ機もありました!

これからは、トレーラーハウスをコミュニティカフェのような人が集まれる場所にしたり、地域の方の手作りの品を展示・販売するボックスショップをやってみたいとのことでした。
待ち合わせをしながらゆっくりお茶が飲める、階上の皆さんの憩い場所になればいいですね。

(ボランティアインフォ 田屋)