「ハートニットプロジェクト」さんを訪問してきました。

ハートニットプロジェクトさんは、被災地の女性が震災直後から、編み物を通して復興を目指す活動をしています。
商品は、全国から届けられた毛糸を使用していおり、山田・大槌・宮古・釜石・大船渡陸前高田および内陸へ移住された被災地の女性たちが手編みで作っています。

今回は、盛岡の事務所の方にお話を伺ってきました。



スキースクールの事務所内にハートニットの事務局はあります。
震災直後はスキー関係の知り合いから連絡が来て、防寒具を集め避難所に届けていました。その後も、スキースクールの男性スタッフは、4月以降長野・山形・新潟などのスキー場を回りはじめたそうです。

「まだまだ自粛の雰囲気でしたがすべて自粛してしまうのではなく、前を向いていきたいと思ったんです。私たちも何かしなければならないと思ったんですけど、女性は中にいなければならないことが多かった。女性でもできること。家でもできること。手に職をつけて自立ができるようになれば…と思い、そこから、ハートニットプロジェクトが始まったんです。」

震災から2年半経過した現在でも、「毛糸を寄付したい」と問い合わせの電話が毎日くるようです!



先日、毛糸を寄付した東京の70代の方も、半年以上前に新聞に載せていた“毛糸の寄付のお願い”の記事を切り抜きハートニットのことを気にかけていて、今回送ってくれたそうです。

「ずっと前に載せた記事をそうやって取っておいてくれたり、被災地に足を運べないけど毛糸を送って支援したい。とかそういう気持ちがすごく嬉しいんです」と、事務局スタッフの方は話してくださいました。



9月〜11月は繁忙期で20か所50日分のバザーの準備をしています。
2011年3月30日から活動をはじめ、バザーは2011年6月から。約2年3か月で2050万円の売り上げですべてを編み物スタッフの方のお給料になっています。

訪問した日も、事務局には仕分けされた毛糸や検品された商品が保管されていました。

この在庫でもまだ足りないくらい、商品の売上は順調なようです!
一つ一つ丁寧に作られており、帽子やペットボトルケース小物入れなどなどすごく素敵な商品です。
また、商品にはハートニットのかわいいキャラクターのタグがついており、これも手縫いでつけているそうです。

地元のイラストレーターさんがこのかわいい子をキャラクターとして提供してくれたりと、地元の方にも支えられています。



事務局では、毎日毛糸の問い合わせや毛糸の受け取り。仕分け。仕分けた毛糸を沿岸に送る。商品になったものを検品する。バザーに出すものを仕分けする・・・などなど。

「もう少し、フランチャイズ形式みたいにできればいいんですけどね。
そうすれば、営業にも力を入れることができてもっと効率よく、全国のみなさんに商品を届けられる」
今は、少ないボランティアさんで作業をされているようです。

現在は沿岸部に87人の編み物のスタッフががいます。
他にも働いていた人もいましたが、現在は漁師の仕事が戻ってきて家業に専念する。とい方が編み物スタッフをやめていくようです。
しかし、被災した地域はまだまだ女性が働ける環境が整っていない。
家業が戻っている人たちはいいけれど、まだまだ仕事のサポートをしていかなければならない。

「いつか、みんながハートニットを卒業して仕事を見つけたり、編み物をもっと仕事にできたりするようになれればいいんですけどね」と話してくださいました。

被災地と呼ばれる地域から始まった、女性たちの活動。
商品が売れることはもちろんですが、「自立」に向けてそして、クオリティの高い商品をつくる努力をされています。

ハートニットプロジェクトは、ボランティアスタッフだけではなく、購入してくれる方、毛糸の支援、寄付、など様々な支援のかたちがあります。よく、毛糸の支援をしてくれる方から
「被災地に行きたい気持ちはあったけれど、体の自由もきかず行けなくてずっと苦しかった」
「ボランティアってスコップを持って作業することだと思っていたけど、こうやることもボランティアなんだって初めてわかったよ。こうゆうことで喜んでくれる人がいるなら私もうれしい」
という声を聞くそうです。

そんな話を聞くうちに、支援する人たちも色んな思いや、苦しさがあったんだなと感じ、ハートニットプロジェクトひとつで色々な支援の形があることによって、支援を受けるという一方的なことだけではなく「私たちの存在で少なからず支援してくれる人の心を満たすことができているんだな」ということに気付いたとき活動の意味をすごく感じるそうです。

「どんな人でも、支援をすることができる。それが私たちの特色でもあると思います。」

ハートニットプロジェクトさんは定期的にバザーを開催しています。
情報はこちらから
http://heart-knit.jp/
ボランティアスタッフも募集中です!
→【ハートニットプロジェクトをお手伝いしてくれる方募集!】事務、販売会スタッフなど
http://volunteerinfo.jp/info/5916

「若い人が少なくて、若い人でお手伝いしてくださる方がいればうれしいです。」赤ちゃんを抱っこしながら経理のお手伝いしてくださる方もいるようです!岩手にいなくても、遠くからできることもありますよ!

(ボランティアインフォ 田屋)