東松島で新しい農業と地域の復興を志す「よつばファーム」訪問レポ!

「このあたりはずーっと家や木があってね。でも津波で全部なくなっちゃったから。風が強くてハウスがすっ飛ばされちゃうんだ。」


東松島市牛網地区にて。ここには住居や木々が立ち並んでいた。奥にうっすらと見えるのが防潮林で、海はその向こう。

 宮城県東松島市牛網地区。あの日、田畑が広がっていたこの地域にも津波が押し寄せ、甚大な被害を生んだ。

 「ここに来た津波は時速200㎞。ここらはあたり一面がれきだらけでした。」

 そう話すのは、農業生産法人よつばファームの代表取締役、熱海光太郎さん。
 熱海さんは、震災前からこの牛網地区で農業を営んでいた。震災後農地の片づけを行う中で、「このまま耕作放棄地になるのを見守っているわけにはいかない、新しい形の農業で地域をつくっていこう」という想いを持つ。
 そんな想いに共感した仲間と共に、2012年11月、農業生産法人よつばファームを設立した。作物を生産するいわば「営利」の活動と共に、仮設住宅に住んでいる方を対象とした市民農園の運営や、築100年以上の古民家を改装したコミュニティスペースをつくるなど、NPO法人と連携した「非営利」の活動も予定している。


「よつばファーム」のメンバー。写真中央が代表の熱海光太郎さん。

2月某日。雪がちらつく寒い中、数名のボランティアと共に、ニンジンの植えられたビニールトンネルの強風対策作業を行った。
冒頭の言葉にもあるように、津波で家や木がなくなったこの地区には非常に強い風が吹く。せっかく芽を出したニンジンも、ビニールが飛ばされて寒空の下にさらされればひとたまりもない。


ビニールロープでの補強作業。


この日のボランティア参加者は、関東から来た仙台出身の会社員、神奈川から来た高校生、香港から一時帰国している方。それぞれ初対面で、バックグラウンドが異なる参加者どうしでも、協力して作業を進めると自然と会話が生まれる。
くいを打ち、ビニールロープを通す。くわで土をおもりのように盛る。都会で暮らす参加者にとっては、そのひとつひとつが新鮮だ。

「新しい形の農業を通して、地域づくりを進めたい。」
そう志す、地元出身の熱海さん。
 復興、そしてこれからの地域づくりは始まったばかり。地元で立ち上がった彼らを応援する仲間が全国から集まることを願っている。

(スタッフ・宮本裕子)

 ■よつばファーム
ウェブサイト http://yotsubafarm.com/
NHK「現地発 明日へブログ」 http://www.nhk.or.jp/ashita-blog/30000/
※奥様の和美さんが更新していらっしゃいます。

 ■ボランティア情報!
東松島市「農業支援ボランティア」募集!
http://volunteer.yahoo.co.jp/detail/2/4844/

※これまでボランティアインフォで掲載したよつばファームのボランティア募集情報は、提携している「株式会社ふるさとファーム」が募集を行っていることがありました。
 今後は徐々に、よつばファーム本体からの発信に切り替えていく予定ということです。