京都宇治から東北で職人の技術を活かしたい!東松島バス待合室プレゼント!

いつもボランティアを求める団体さんにスポットを当てていましたが、今回はボランティアに来ている方のお話を伺いました。

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京都の建築職人の組合が震災後から継続的に東北支援に取り組んでいます。
「全京都建築労働組合」は京都府内の約2万人の建築関係の職人や事業主が加入し、府内に24支部を構える労働組合
震災後から東北へ支援に入り、物資運搬や泥かきボランティアなどを行ってきました。



現在取り組んでいるのは、大工の技術を活かした、被災地住民の生活環境を改善するボランティアなど。仮設住宅近辺のバス停に、待合室を作ったり、仮設集会所のスロープに庇をつける工事を資材を持ち込み、ボランティアで行っています。

「被災地の仕事を奪ってしまっては意味がないので、東松島市役所からの要請に基づくボランティア活動で、活動に伴う資材は被災地の業者さんから調達しています。」と話すのは京建労宇治支部書記の樋口幸則さん。実は6月の活動の際にボランティアの募集をお手伝いしたことがきっかけで、今回の訪問でご連絡を頂いたのでした。
11月に行うのは東松島市内の被災地のバス停に待合室を建てる支援。これは東松島市からの強い要望があったとのこと。



東松島市のとても積極的な姿勢に、本当に住民の方々から望まれているのだと感じた」
と話すのは大工職人の糸井利明さん。
活動を行っているきっかけを聞くと、
「初めは物資を運んだり、泥かきをしていたけど、ある時泥をかく前の床板はがしをしたことがあった。現地の方からは、通常ボランティアがやると1日かかる作業を大工さんは半日で終わらせてくれてありがたいと言って頂いたことが忘れられない。もっと技術を活かして出来ることがまだまだあると感じました。」
と話していました。



また、京都宇治市を襲った大雨による水害被害の際も東北被災地での経験を活かして、被災家屋の支援にかけつけました。その時東北からもたくさんのボランティアさんが来ていたことに胸を打たれたといいます。困ったときはお互いさま、何かあった時には支え合える関係を築いていきたいという想いから、現在まで全て自前での支援活動を続けているのだそうです。

目下の課題は資金調達。資材費や交通費などは京都でカンパを集めたり助成金に申請してみたりと努力はするものの、被災地から求められる活動と現実の資金でできることの溝はなかなか埋まらないそう。

それでも続けていきたいと語る理由は「職人さん達にとっても成長に繋がる」とのこと。普段は寡黙な職人さんが、被災地支援を通じて被災地の方と交流するようになり、自発的に困っている人を助けたいという想いが芽生えてきたことだそうです。
知らないうちに、関わる人達がそれぞれに「学び」を得ていたこと。
それが活動を続けていく力になってきている、と樋口さんはおっしゃっていました。

「労働者の要求を通すのが労働組合だと思われがちですが、組合の目的は建築職人の地位向上。技術を提供する場を作ることで、支え合っている。被災地でもそれぞれの能力を活かしたボランティアをしていきたい」
と力強く話していました。

今回バス停の待合室を作るのは11月11日〜12日にかけて、東松島市の室浜地区に1日半で全てを終わらせる予定だそうです。宿泊は旧野蒜小学校のボランティア宿泊施設。今回は地元からのボランティア募集は無いですが、ぜひ地元団体や同じような職人さんとのつながりを持ち、継続的な活動ができる体制を整えていきたいとのことでした。

【お問い合わせ】
全京都建築労働組合
電話番号 075-662-5321
ホームページ http://www.kyokenro.or.jp/
または
全京都建築労働組合宇治支部
電話番号 0774-24-2223
メールアドレス uji@kyokenro.or.jp
facebook   http://www.facebook.com/kyokenro.uji