復興プロダクツのこれから

7月29日から8月19日まで仙台駅前のファッションビルパルコで開催された「クリエイターが創る新しい仙台みやげ展」では、被災地のお母さん達が作成した復興プロダクツのコーナーが設けられました。

会期中には帰省客などたくさん訪れ、ほぼ売り切れの商品もあったようです。
今回ボランティアインフォが出展を打診し、作品を販売して頂いた団体さんは被災3県からの19団体でした。



会期を終えて、たくさん売れたもの売れなかったものはっきりと分かれました。
もちろんどんな目標や目的で作っているかはそれぞれなので、売れれば良いというものでもありませんが、やはり多く売れたものにはそれなりに理由があります。

飾り物や装飾品よりも、生活用品だったり、価格設定が手に取りやすいものだったり、お土産に適していたり、「かわいい!」という要素も重要です。

コンセプトやデザインがしっかりしているもの、パッケージが統一されているものなど販売数が伸びた要素をしっかりとカバーしているのは、やはり外部団体のプロデュースがしっかりとしているところでした。

そこで今回、復興プロダクツを作っているお母さんとデザインや商品プロデュースのスキルがあるボランティアさんを繋げるため、みやげ展を主催した仙台のイラストレーターさんにご相談したところ、関わってくれることになりました。

デザインして頂く商品は、南三陸のまゆ工房「彩(いろどり)」で作られている繭の根付や置物です。繭の形を生かして、靴のオーナメントになっていたり動物の起き上がりこぼしになっていたり、優しい風合いの商品でした。



デザイナーさんからまずは商品の価格を決める基礎的な知識、考え方の説明があり、私も「なるほど!」と思うことばかり。。

「材料費は全体の3割以下、そこに人件費、梱包材費、送料などのせる原価計算が必要です。そこから上代を決める。販売先によって価格が変わるのではなくどこで買っても同じ値段になるよう生産体制を整えることが重要ですよ」

「今後この商品で起業するのであれば、メーカーとなって商品を販売先に卸すという感覚を持った方が良い」

この工房の代表松岡由香利さんは、南三陸の水戸辺のご出身で震災で家や家族を失い今は仮設住宅で生活しています。じつはこの由香利さんは、起業家なのです。
内閣府の「地域社会雇用創造事業」の申請をし起業のための助成金を受けることが決定し、震災前から30年以上作り続けてきた繭細工で新たに起業しようと決心した「お母さん起業家」なのです。



「長年の技術はあるんだけど、本当はどんなもの作ったら売れるのか分からない。若い人やたくさんの人がかわいいと思うデザインなどがしりたい」と由香利さん。

デザイナーさんからは「たとえば今作っている靴のオーナメントはクリスマス用にもう少し工夫して今から準備すればシーズンに合った商品として売れるかもしれませんよ」とアドバイスがありました。
ちょっとの変化でもその工夫が、売れ行きを大きく左右するんだと思いました。

2時間ほど工房で打ち合わせをして、次回までにサンプルを作ってくることになりました。サンプルが楽しみですね。引き続き、レポートしていきたいと思います。

(ボランティアインフォ・大藤)