スタディ・バスツアーって?東北の力を学ぶ被災地との新しい出会い

東北復興新聞さんのご紹介でソトコト×岩手県北観光の特別コラボ企画、東北の力を学ぶバスツアーに、お邪魔してきました。

このスタディツアー、1泊2日の日程には、東北の魅力を知り、美味しいものに出会い、復興へ立ち上がる地元事業者のお話しなど、とにかく盛りだくさんな内容がいっぱい!もちろん被災地でのボランティア活動も予定されています。



スタディといってもお堅い勉強ではなく、目的地をバスで目指しながら、窓の外に広がる被災地のリアルを感じ、震災に負けず、ひたむきに頑張る地元の強い力と笑顔に触れて、自分なりのスタディを見つける旅でした。

この日の参加者は年代性別も様々な25名。
関東方面からの参加者が多いようでした。
気仙沼のお魚いちばにある「海の市」で海鮮丼の昼食をとった後、向かったのは、「斉吉商店」。
古くから廻船問屋を営み、「金のさんま」など水産加工にも力を入れています。
しかし今回の震災で、工場含むほとんどの建物が津波で流されました。
マイナスからのスタートでも、顔を上げて突き進む事業者の本音に迫ります。



到着すると、斉吉商店の専務である和枝さんが笑顔で迎えてくれました。
まずは再出発の場所である、今の事務所兼斉藤さんご夫妻の住居ともなっている建物を見学します。

「10年以上、人も住んでなくて、天井まで蔦が絡まっている状態だったんですけど、その時は屋根があるだけマシ!と思いました。」
と和枝さん。避難所だと再出発や仕事の話がしにくいと感じ、先々代の建てた建物を人の住める状態まで戻したと言います。



セキュリテというソーシャルファンドをきっかけに再スタートを切ったのもこの8畳の小さな部屋から。
このツアーに参加しなければ入ることができない、斉吉商店の初めの一歩に触れた参加者は何を感じたでしょうか?

参加者40代の男性
「東京にいると、なんか被災地に行っちゃいけないんじゃないかと思ってた。ボランティアも仕事もあるし行けないし。でも今回出会った人たちは来てくれてありがとう、来てくれるだけで助かるって言ってくれるんです。今度は人を誘って来たい」

参加者20代女性
「東北に来ての印象は、現地の人がとにかく元気だなということ。応援にと思ってきたのに、こちらが元気をもらいます。帰ったらfacebookとかで他の人にも教えたいです」

店舗で買い物をした後は、311のあの日のこと、秘伝のタレを守った壮絶な従業員の話、そしてこれからの斉吉商店のこと、などを「ここまでこれたのは支えてくれたたくさんの人達のおかげ」と、和枝さんが涙ながらに話してくれました。



このツアーの名物ガイドである今井さんはこう話します。
「ボランティアに参加するのもいいんですけど、人と触れ合うことが、継続して東北を支援するきっかけになると思うんです。力仕事だけではなかなかまた来たいと思わない。ツアー参加者どうしが繋がることも大事なんです。」

自らも被災した今井さんは、職を失ったあと、支援にきたボランティアとの出会いがきっかけで自分も地元のために何かしたいと思ったそう。

復興の険しい道を進む、東北の人々の力強さに胸打たれ、暖かい笑顔に励まされたスタディツアー。
学んだことは、私達が忘れかけている尊いものなのかもしれません。

「いつでもあた寄ってください」
「あの時の参加者ですーって声かけてください」
「またお待ちしてますね」

という和枝さんのお見送りに、「斉吉商店のこの続きを観にまた来たい!」と思わずにはいられませんでした。


(ボランティアインフォ・大藤)

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