卸町5丁目仮設住宅で生の演奏会を!

仙台市内の仮設住宅というと、中心部かた近く支援が行き届いていると思われがちですが、実際ここに自治会ができたのも11月の半ばなんです。」

そう話すのは仙台市若林区にある卸町5丁目仮設住宅で、仮設支援相談員をしている大橋さんです。仮設支援相談員とは、仮設住宅の集会所などに駐在し、集会所管理や運営、自治組織のサポートなどを行っています。

「初めのころはなかなか住民の方が家から出てきてくれなくて。集会所の窓から「おはようございまーーす!」って声をかけたりもしたんですよ」
明るい笑顔を見せる大橋さん。現場で支援活動をしたいという思いから11月に支援員として応募し、今年1月末までその役割を任されました。

訪れる3日前、そんな彼女からボランティアインフォに連絡が来たのです。

規模が小さくてもいいから生の音楽を演奏してくれる団体を紹介して欲しいという内容でした。

ここ卸町は仙台中心部からも車で15分ほどで、工業団地などが立ち並ぶ地域。
通学通勤に便利なためか5丁目仮設住宅の入居者は30代のサラリーマンの一人暮らしや学生も少なくありません。

ようやくできた自治会も会長さんがお仕事があり日中に時間がとれないなどで、地域としてのまとまりが生まれてきませんでした。
そのため集会所でのイベントや住民同士をつなげる仕掛けが今まで少なかったというわけです。

それでも平日の日中はお年寄りや小さなお子さんがいるお母さんなどが暮らしています。そんな住民の方がたが大橋さんのよびかけでぽつりぽつりと集会所にお茶っこを飲みに来るようになり、ふっともらしたのが「生の音楽を聞きたい」という声。

実は仮設支援相談員はあくまで住民のサポートなので、何かを企画したり提言したりすることができないそうです。それでもようやく自治会ができ、5丁目仮設の運営はまさにこれから!という状況を傍で見続けてきた大橋さんは、なんとかしたいという思いから私たちに連絡をくれたのでした。

「大がかりなものじゃなくていいんです。民謡とか、趣味で音楽を続けている方とか素朴で、ほんわかするものがいいと思っています。」と、大橋さん。

どんな演奏会がいいでしょうか?
お年寄りもお子さんがいるお母さんもみんなが楽しめる、心が温まるそんな演奏会になるよう、準備を進めていきたいです。
そして1月で去ってしまう大橋さんの想いも引き継いで、5丁目仮設住宅にこれからも注目していきたいと思っています。

(大橋さん:集会所に置かれた雛人形の前で)

(ボランティアインフォ:大藤)